場所は地下鉄中央線弁天町駅E出口を出て、目と鼻の先のビル4階の「アウマ・ネグラ道場」、ここの指導者はカポエイラの聖地ブラジル人女性だと聞き、おのずとテンションも高まります。さっそく室内に入ると練習生が自主トレーニングを行っていました。その中には外国人女性の姿も。さすが〜国際色豊かな感じがします。道場の奥にはブラジル人指導者のカルメンさんと、もう一人の指導者三田雄士さんが我々をお迎えしてくれました。カルメンさんは凛とし佇まいの美しい人で、三田さんは体格も良く厳しそうなイメージだ。
徐々に生徒が集まり、ブラジルの音楽が流れてきて練習がスタート。まずは入念なストレッチから始まった。2人組みになって和気あいあいと言った感じだ。その次に護身法(カポエイラとは関係なさそうだが何かの時に役に立ちそう)や前回の動作の復習などをした後に、みんな列になってサーキットトレーニングが始まる。
音楽に乗りながら足のステップと上半身の動きも加わって、道場の熱気も徐々に高まる。カルメンさんがミットを持ち順番に蹴りを受け止める。バーンといい音が響いて道場に喝采が沸き起こる。カルメンさんも笑顔で答え、みんなと盛り上がる。みんなも笑顔が絶えない。というか、みんな超笑顔だ。中には初心者も見受けられて、その人達には三田さんのわかりやすい指導が入る。
初心者も上級者も一緒に練習をしていて、個々のペースで指導してもらえそうだ。最高潮の盛り上がりの中、次はブラジル楽器が持ち込まれ、全員で円陣を組む。歌と楽器と手拍子の中で対戦が始まった。この雰囲気は独特で一体これは音楽なのか?武道なのか?これには初めての感覚で、正直驚きました。中の二人も踊るように笑顔で対戦。盛り上がりの中、歌と楽器ともに大音量でした。この日の夜、私の興奮は当分冷めぬままインライフ事務所に持ち込まれたことは言うまでもない。
音楽がストップすると同時に対戦も終了。皆のハンドタッチと喝采のなか終了した。
私のイメージする宙返りのアクロバットな格闘技のカポエイラのイメージは、この日に少し変わった。勿論、軽やかに回転やジャンプする姿は健在だが、あのみんなの笑顔にはそれ以上の何かが秘められているに違いない。練習中にカルメンさんはポルトガル語でカポエイラについて色々説明していた。それは技の話だけではなく、ポルトガル語の語源や、歴史に及んだ。
ポルトガル語については三田さんの日本語訳があるので心配ない。みんなが目指す「よきカポエリスタ」とは、ここの練習生達の笑顔とひた向きに練習をする姿にあるのではないだろうか?そう思わずにはいられなかった。最後に三田さんからインライフ読者へコメントを頂いた。「30代は仕事が面白い時期です。ここに来ている練習生達は初め色々な目的で来られます。
ダイエット、エクササイズ、音楽など、さまざまです。そんな皆さんにカポエイラを始めて生活が楽しくなった。カポエイラが生きがいになったと言ってもらえます。カポエイラをパートナーとして生活の一部に取り入れてみてはいかがでしょうか?」三田さんはブラジルで出会ったカルメンさんと共に、カポエイラを生きがいとされている。三田さんが遠くを見つめて静かに熱い思いを語ってくれた姿が印象的だった。