大阪屈指のディープゾーン、西成区・飛田新地にある料亭
「鯛よし百番」。
大正初期に飛田新地の遊郭として建てられ、戦後は改装されて料亭として使われ
有形文化財にも登録されています。
あべのハルカスからも歩いて行ける距離にありながら、
飛田新地一帯はまったくの異世界。
かなり濃いエリアで、大正時代のような建物入り口は煌々とライトアップされ「いつの時代だ?」って感じに綺麗なお姉さんがたが鎮座している。(その横には必ず目つきの鋭いおばあちゃんがいて、なんか
すごい勢いで客引きしてくる)
撮影なんてもってのほかなエリアですが、「百番」だけは撮影可能。
正面の風格のある看板が目印です。
玄関の自動ドアを開けると左手にはかつて遊女が並んでいたであろうひな壇がそのまま残され、緋もうせんの敷かれた廊下や緻密な襖絵、精巧な飾り付けなど大正建築美術の粋を集めた部屋の数々が
大正ロマンの世界を感じさせます。
店の中全体が
日本全国の風物詩などがテーマとなっているとのことで玄関から客室、通路、果てはトイレに至るまで、内部の装飾は
ひたすら豪華。
建物は2階建てで、中庭をグルッと回る回廊形式になっており、中央には日本庭園らしきものがあります。
ちなみに2階に上がる階段が数箇所あるのは、
客同士が鉢合わせしないように配慮されたためだそうです。そういった各所にも遊郭時代の名残が見えますね。
ちなみに
2階の広間には隠し扉が存在し、芸者の楽屋用の部屋につながっていたりします。
大仰な唐破風、日光東照宮を模倣した待合、住吉大社の太鼓橋のミニチュア、桃山風意匠の絢爛豪華な大広間、喜多八の間・祇園茶屋の間・紫式部の間・由良の間など部屋毎に趣向が凝らされた小部屋と、さすがに有形文化財に登録されているだけのことはあるといった感じです。
そして料理のお味ですが…こちらはまあ、
普通。
鍋料理が人気だそうで、大体は5000円くらいのコースです。ちょっと変わっている部分といえば「百番」は完全予約制で
オーダーの追加などは事前に言っていない限り一切出来ません。
実は以前に一度カレー鍋を食べたことがあるのですがまあお値段相応といいますか。
個人的には
建物の中を見れただけで十分に価値はあると思います。
建物ですが、正直くたびれてきていることは否めません。
しかし
改築すると今のレトロさというか不思議な魅力は失われてしまいそう…。
そう思うと、
今のうちに行っておくべき貴重な店舗だと思いますね。
周辺地域も含め価値があるといいますか。
決して上品でもないし、手入れも行き届いてはいないが店内のあちこちが面白い。
話のタネに1度は行ってみてほしい!そう言いたくなる店です。