芸大を卒業後、放送作家、商社勤務を経て独立し、リフォームデザイナーになり、四億円を超える年収を手に入れた人物。
日本離れしたハイセンスなリフォームで一躍人気者となった
「元祖リフォームの匠」こと、パウダーイエロー代表 稲垣史郎さんから仕事術を学びます。
「経験が無いから出来ない」なんて思いこみ
稲垣さんは独立直後、コネもツテも人脈も知見もスキルも何もなかったと言います。
「でも、
『だから出来ない』なんてことは別に決まってないんですよ。国家資格が必要なわけじゃなし。」
「こうなりたい!」という目的に対して、やるべきことを決めるだけだと言い、
「やったことあることから考えてみよう」とすれば視野も発想も狭くなり、「失敗しないようにリスクを回避しよう」と考えれば、既に成功した人を真似しようと思考が狭くなってしまいます。
「格好いい仕事して稼いでモテたい」なんて下世話な理由でも何でもいいので、
原動力となる思考にどれだけ真剣になれるか。
この気持ちこそが大事なんだと、稲垣さんは続けます。
大きな会社なんて要らなかった
会社が順調に売上をあげて社員が10人ほどになったとき、稲垣さんは「デザインでビジネスをしたい」と思い、急に会社を畳みます。
六本木の事務所をたたんで数千枚もっていた取引先の名刺を全て捨ててしまったんだとか。
「
もっともっと自分のやりたいことに正直になってみよう。もっと尖ってみよう。そのために自分のオリジナルでやってみよう。みたいな事を考えてたんですよね。
だから、古いつながりを一度全部捨てなきゃいけなかった。
そこから始めないと、以前やったことの応用でなんとかしようとしちゃいますから。 」
そこそこ上手く行っている、でも変わらなきゃいけない。そう感じることは人生において意外と多かったりします。
ですが、そこで
「過去を捨てるという決断」が取れる人が果たして何人いるのか…
ここが独立を
成功させる人とうまくいかない人の境界なのかも知れませんね。
ビジネスを本当に「ゼロからつくる」ということ
「もう一度一人になった僕は、今でいうフリーランスデザイナーみたいなスタイルになって茅ヶ崎に引っ越してきたんですが、「仕事をください」って言って回るのが嫌だったんですよね。」
今度は
「あなたに仕事して欲しい」って言われる側になりたかったという稲垣さん。
一人になった後は、まず自分のデザイン建材ブランドを作り上げました。
生産をなんとかするために工場を買い、デザインしたタイルや化粧板でモデルルームを作り、プロに写真とパンフのデザインを依頼…。
できあがったパンフレットを持って全国のリフォーム業者に「このリフォーム建材を扱いませんか?加盟料100万円必要ですけどね」と売り込んで回りました。
すさまじいまでの行動力ですが、何より驚いたのが「この間わずか1〜2年」だという脅威のスピード。
当然フランチャイズ展開の知見も、代理店契約の知識もなし。
家具製造・流通・販売の手法だって完全に未経験だったにも関わらず…というんですから本当に驚きです。
自分自身の中で挑戦を諦め、「ああ、これはダメだったんだ」と諦観してしまえばそれはそこで失敗になる。
そして失敗してしまうかもしれない、という懸念は
挑戦するチャンスと気概を失ってしまう。
どれだけ諦めずに
「成功するまで、自分が納得するまで、自分がやりたいようにやる」という意識を持ち続けることができるかが重要になってくるようですね。