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OTOKOMAE NEWS〜男前ニュース〜Vol.54
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「いまのTVには“江頭”が足りない」
破天荒に見えてしっかり“TVサイズ”に収める技量


お笑い芸人の江頭2:50が5月3日放送の『アメトーーク!緊急!江頭2:50SP』(テレビ朝日系)に出演することが分かった。3月に『「ぷっ」すま』、『めちゃ×2イケてるッ!』と、立て続けに準レギュラーだった番組が打ち切りとなった江頭だったが、その後に複数の仕事をキャンセルしたため、「休業するのではないか?」との報道もあり、その動向が心配されていた。

しかし、蓋を開けてみれば『アメトーーク!』というこの上ないステージで復活。まだまだTVで必要とされる存在であることを示した。一見、破天荒な行動をしていると見られがちだが、その実、“お笑い指数”の高さでTVサイズに笑いをまとめる実力を持っている江頭。いま、TVに必要とされているのは、そんな“江頭成分”なのではないだろうか?

“休業報道”で垣間見えた、視聴者からの高い「潜在需要」

布袋寅泰の代表曲「スリル」に乗せて登場し、誰構わず暴れまわる唯一無二の破天荒芸人・江頭2:50。「1クールのレギュラーより、1回の伝説」をモットーに、各番組で笑いの爪痕を残してきた江頭だったが、準レギュラー扱いで出演していた『「ぷっ」すま』、『めちゃ×2イケてるッ!』、さらに『とんねるずのみなさんのおかげでした(以下、みなおか)』(フジテレビ系)がこの春で終了。そのため、2月15日放送の『みなおか』では、「俺、4月から『ぷっすま』も『めちゃイケ』も『みなおか』も、全部無くなるから、テレビ出ない人になる…」と窮状を訴え、笑いを取る場面も。

それだけに、ネットでは「エガちゃんの登場する番組が減るのではないか?」「エガちゃんが干される?」といった声も聞かれていた。そんな中、江頭がパチンコの営業など複数の仕事を休んだことから、“江頭休業説”が一部ニュースサイトで報じられるようになった。

するとネット上には「もっと番組出て欲しい。江頭さんが出るってだけで、少しでも元気が出るから」、「こういう存在はいて欲しい…何起こすか分からん危うさがない芸人はつまらん」などと、江頭の“続投”を望む声が多く投稿され、その“潜在需要”の高さを伺わせる契機ともなった。

“予定調和”を崩せる稀有な存在
しかし江頭の生かし方はディレクター次第!?


破天荒芸人として必ず爪痕を残してきた江頭。とは言え、インパクトのあるキャラだけに、取り扱い次第でその魅力は削がれてしまう。例えば、彼をレギュラー起用したとしても、彼の良さは希釈され、笑いも薄まってしまうだろう。そのため、優秀なディレクターは「ここぞ」という場面で江頭を起用し、“江頭成分”を最大化させ番組を盛り上げてきた。

『「ぷっ」すま』では、バク転しようとして、頭から落ちるという命がけの脳天直撃を披露。また、「ギリギリ人間ブリッジ」で両足を広げて、190センチまで股を開脚したほか、本人が「死ぬかと思った」と語る、“塩を大量に摂取する”という荒業を披露。

また、『アメトーーク!』では、特番恒例の別室中継で、「空」「フランスのテレビ」などのムチャぶりモノマネで爆笑をさらい、『めちゃイケ』では、江頭が「一言物申す!」とAKB48を追いかけ回して、秋元才加から蹴りを入れられるという名場面を演出。EXILEのATSUSHIにはヒップアタックを仕掛けるなどまさにやりたい放題。このように、彼の良さを知るディレクターは、特番などの“ここぞ”という場面で起用し、視聴者の記憶に残る名シーンを作ってきたのだ。

「取り扱い注意」は勘違い?
TVサイズに笑いを収める“お笑い指数”の高さはトップクラス


彼の魅力を「ここぞ」の場面で引き出すディレクターがいる一方で、江頭が「問題を起こすのではないか…」というような勘違いを、一部のTVスタッフがしている面もあるのではないか。

その理由として、昨今、江頭のようなトリッキーな芸を披露する番組自体が減少している点があげられる。つまり、テレビマン側が江頭の取り扱いに慣れておらず、視聴者からのクレームやBPOからの注意喚起などを過度に恐れ、スタッフが躊躇しているのかもしれない。

しかし、江頭にそんな心配は全く必要ない。と言うのも、江頭は笑いを“TVサイズ”に落とし込める稀有な存在だからだ。つまり、彼はTVで取り扱えるギリギリの笑いを計算し、その範疇に収める技量も持ち合わせている。

事実、『めちゃイケ』では、ナインティナインや加藤浩次といったレギュラー陣やゲストも含め、笑顔で江頭の芸を楽しむ姿が通例となっていた。自分の限界に挑む芸風ではあるが、決して、“人を傷つける笑い”を好まないのが江頭のアイデンティティであり魅力なのだ。

“萎縮した笑い”ではなく、視聴者が求めているのは
ギリギリを攻める“江頭成分”


いま、番組の制作費縮小や視聴者からのクレーム問題などもあり、ひな壇番組、クイズ番組、街ブラ系番組など“無難”な番組が目立つ。しかし、視聴者が本当に求めているのは、予定調和ではない“驚き”を与えてくれる芸人や番組なのだ。事実、ネット上では「テレビを見ていて番組にイライラしてくると、エガちゃん乱入してめちゃくちゃにしてくれたらスッキリするのに…と思う」、「予定調和の番組をぶち壊して、登場するだけで場を支配できる人は希少」といった江頭への期待の声が多数寄せられている。

もちろん、ただ過激なことをやれというのではない。江頭は、ネットTVや民放それぞれの“TVサイズ”の中で暴れきっている点がポイントなのだ。規制の強い地上波では、一見“BPOにケンカ売っている”体で笑いを引き出しつつ、実のところTVサイズを考えてハジケられる“匠の技”が江頭にはある。

とは言え、前述した通り、彼の魅力を引き出すにはTVスタッフとのチームワークも重要。それを証明したのが、AbemaTVで放送された香取慎吾、草なぎ剛、稲垣吾郎のレギュラー番組『7.2 新しい別の窓』の4月1日放送回だ。勝手知ったる『「ぷっ」すま』のケイマックスが制作協力会社として加わっており、彼はここぞとばかりに大暴れ。草なぎと傾斜角度に耐える「スパイダーマン対決」に挑戦したり、「新しい地図に俺を入れろ!」と言い放ったり、それに抗う稲垣の頬を張るなど、ここでも確かな爪痕を残したのだ。

破天荒なキャラだけが強調されがちだが、民放で求められる“笑いの枠”の中でキッチリと結果を残してきた江頭。最近、「休業か?」といった声もチラホラ見かけたが、その心配は必要ない。彼は、その時代の規範に合わせて“笑いを取る”希少な存在。今後も、“江頭成分”を引き出すディレクターの元、多くの名シーンを作り出してくれることを切に願う。


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