脳の新しい可能性と活用法を世界中に伝えている人気作家
「エラン・カッツ」さん。
彼は
記憶力世界一として、1998年発行のギネスブックに掲載されました。
ランダムな500桁の数字を1回だけ読み上げ、それらを全部覚え、最初から最後まで、次にその逆の最後から最初までを一桁の間違いも無く暗唱。その脅威の記憶術の秘訣を学びたいと思います!
記憶力に興味を持つきっかけ
エランさんはイスラエル北部の地中海沿岸にある町の高校に通いましたが、学校の成績は中くらい。成績がよかったのは哲学くらいでした。
記憶力に興味を持つきっかけとなったのは、手品が得意な友人がいてとてもモテていたことに対して、自分は手品が出来ない代わりに記憶力で人を驚かそうと思ったのがはじまりだったそうです。
記憶力向上のための基本的な考え方
"マクドナルドのロゴを思い出してください。
といってもシンプルですし、誰もが絵に描けるでしょう。
しかし、ピザハットは?スターバックスは?と聞かれたら困惑するでしょう。デザインが複雑とはいえ、
何度も目にしているものを、なぜちゃんと覚えられないのでしょうか?"
それは、
視界に入っていても注意を払っていないからです。
物事を漫然と見たり聞いたりするだけでは、頭には入ってきません。
パソコンでファイルを保存する際、最後に"保存ボタン"を押さないと保存されないように、
対象に注意を払わないと記憶には留まらないのだそうです。
人間の脳は、同時に1つのことしかできません。
いわゆる「マルチタスク」ができる人は存在しません。女性にはそれができるともいわれますが、実はそうではなくて、次の作業に頭を切り替えて集中するのが、男性より早いというワケです。
例えばメールの整理も気が散ります。
1日に100も200も来るメール全部に返事を出すのは、
5分ごとに郵便受けを見にいくようなもの。メールのチェックは、1日に2〜3回程度に抑えたほうがいいでしょう。
強く集中し、記憶に残る作業をしようとするときは、1つのことに集中することが重要で、つい気を取られてしまうような事柄を「脇に置いておく」作業が必要です。
人はどういうときに物事に集中するか
では、人はどういうときに物事に集中し、注意を払うのでしょうか。
それは珍しいものを見たとき、プレッシャーを感じているとき、そして自分の興味のあるものと連想でつながったときです。
たとえば、ベルギーやフィンランドの地図をすぐには描けなくても、ブーツを連想させるイタリアの地図は描きやすいでしょう。
歌や歌手で昔の記憶を思い返したり、
食べ物の匂いで故郷を思い出すこともあります。
人は、
自分が興味を持ったものだけ覚えています。
数学に興味がある人は、数字や数学に関する知識をよく覚えているし、雑学に詳しい人は様々な事柄への好奇心が強い。
人の名前をよく覚えているのは、他人への関心が高い人といえます。
ビジネス上の成功と記憶の技術とは密接に関わっていますが、
特に人の名前を覚える技術は重要です。
名前を含めたお客様のすべての情報を知っていたら、そのお客様は
すごく喜ぶし、もう一度買おうかという気になってくれるかもしれません。
エランさんが語る他人への記憶を強く残す5つのポイント
・まず覚えることを怖がらないことと、
聞き役に回ること。
人は長い自己アピールより、自分の話を聞いてもらった人に好感を抱くものです。
・名前は繰り返し口に出して覚えます。反芻することにより、より深く記憶に刻み込みましょう。
・会っている最中にその人の名前と何かを結び付けて覚えます。どんなことでもかまいません。ただし、服装や髪型などは変わってしまう場合がありますから注意しましょう。
・一ヶ月に1回は手元の20枚の名刺を見て、どんな人だったか、どんな顔立ちだったかを思い返す。顔と名前を紐つけることにより、会った時すぐに名前を思い出すことができます。
・しばらく会っていない人と会合で会う前は、出席者の名簿を見て準備しておきましょう。相手は「会わなくてもずっと覚えていてくれた」と好感を持ちます。
大切なのは、いろいろな物事に興味を抱くために、日頃から熱意や情熱を持ち続けることです。
熱意や情熱が物事への興味を呼び起こし、記憶力の向上に貢献していきます。
記憶術をマスターして、効率のいい仕事を行えるようになりましょう!