南アメリカ最大の国土を誇るブラジルは、世界最大の大河であるアマゾン川とその南に広がるブラジル高原、南西部にはイグアスの滝と、様々な地形を持つ。1500年にポルトガル人のカブラルがブラジルを発見し、16世紀にポルトガルの植民地となったことにより公用語はポルトガル語。そのポルトガル人と先住民、そしてアフリカから奴隷として連れてこられた黒人と、ヨーロッパや中近東、日系人など多様な人種が混在している。そのことによって食生活も地域により様々だ。先住民は、土地でとれたキャッサバ、バナナ、魚などの素朴な食事がメインで、ポルトガルからは肉や野菜をふんだんに使った煮込み料理が、アフリカからは香辛料やヤシ油を使った料理が伝えられた。その他にも川や海からの距離、降雨量、土壌の状態などによって様々な料理が広がっている。全体的にブラジル料理は大胆で豪快、繊細な味加減よりも素材そのもののうま味を生かしているということが大きな特徴だ。