フランスのパリに「ラペルーズ」という創業1766年の老舗レストランがあります。
長い歴史の中で、たくさんの有名人がこちらのお店を訪れたそうです。
そんな有名レストランで、デザート部門のシェフ(パティシエ)を務めている日本人
『佐藤 亮太郎』さんから仕事術を学んでいきます!
修行の道のり
佐藤さんは日本の「ルコント」という洋菓子店で、見習いからパティシエの道を歩み始め副料理長になりましたが、さらなる修行を積む為に1966年、24歳でフランスへ渡りました。
フランスのケーキ屋であるパティスリーやレストランで経験を積み、パティシエとしての技術を高めていきました。
その後、エッフェル塔を眺めながら食事ができるレストラン「メゾンブランシュ」でもパティシエとして働き、更にミシュラン三ツ星レストランの「ギーサボワー」のデザート部門副料理長を務めるほどになりました。
2013年には
「ラペルーズ」のシェフ・ド・パティシエとして迎えられ、現在もデザート部門を統括、若手パティシエの指導をしています。
佐藤さん曰く、フランスの料理人はピラミッド形式で、それぞれ役割が分担されているそうです。
基本、シェフは料理をせず、全体を監督する立場となります。その下の副料理長(スーシェフ)がシェフのサポートをしつつ、下の人間の指導・管理を行います。かなり大変だけどやりがいのあるポジションだと佐藤さんは言います。
見習いから始め、たくさんの経験を積んできたからこそ、周りの状況をしっかりと把握し、的確な指示や指導を行えるのでしょう。
大変なことでも、自分自身のスキルアップに繋がることであれば一生懸命やるというのはどんな仕事でも大切なことですね。
その国の息遣いを自分の中に
日本人の知識や技術はかなり高いが、フランス料理を作るには、フランスの文化を知ることが大事だと佐藤さんは考えます。
フランス人と日本人との大きな違いとして、デザートに対する考え方があるそうです。
フランス人にとってデザートはとても重要な存在で、子供を懲らしめる際に
「今日はデザート抜きよ」という言葉が最も効果的とされるほどです。これを言われた子供はパニックになるぐらいなんだとか(笑)
それぐらい、小さな頃からデザートを好んで食べているフランス人を喜ばせる為には、フランスに住み、常にフランス人と接し、文化や空気を自分の中に入れていくことが必要だと佐藤さんは言います。
自分が知っている知識や技術だけで闘っていくのは、いずれ行き詰まってしまいます。
様々な知識をしっかりと取り入れ、自分の力とする事で、さらに一歩先へ進めるのではないでしょうか。
より多くの情報を得る
佐藤さんはラペルーズ勤務とは別に、「YOGASHI RT」という会社を設立しました。
パリにあるレストランやケータリング会社のデザートコンサルティングをする会社だそうです。
また、パリ郊外にラボを建設し、コンサルタントをしている会社やお店に対して新しい商品を販売するビジネスも始めました。
レストランの競争が激しいフランスでは、経費削減のためにデザートスタッフを雇わず、佐藤さんのようなコンサルティング企業に依頼するお店が増えています。
このビジネスにより、ラペルーズとは別の情報を得ることができます。
どういったデザートが求められているのか、価格帯はどれぐらいなのか、お客様に喜んでもらう為には、技術はもちろんですが、こういった情報も大事です。
いかがでしたか?
佐藤さんは常に先の事を考え、それに対して行動しています。
それがうまくいくか、すぐに結果がでるものではありませんが、向上する意識を持ち続けることが仕事をする上で成功するカギとなるのではないでしょうか。