皆さんは「トレイルランニング」というスポーツをご存知ですか?
陸上の中長距離走の一種で、舗装路以外の山野を走る競技のことです。
舗装路以外を走るクロスカントリーや普通の中長距離走との大きな違いは、小型のリュックに必要な装備を入れて走る部分です。
レースの中には100km以上走る物もあるため、エナジージェルなど行動食や暗くなった際のヘッドライト、怪我をした際の応急処置キットなどを入れておく必要があります。
トレイルランニングの細かい説明はこちらの
大人の趣味道アーカイブ『トレイルラン』を参考にして下さい。
そんな、常に危険と隣り合わせのこの競技でプロとして活躍する
『奥宮 俊祐』さんから仕事術を学びます!
奥宮 俊祐(おくのみや しゅんすけ)
中学・高校・大学と長距離選手として陸上を続けていましたが、大学時代に心臓の不調もあり箱根駅伝の選手になる事ができず、挫折を味わいました。
25歳の時に心臓の不調の原因が不整脈と判明し、すぐに手術を受け完全回復。
快適に走れる喜びを感じた奥宮さんは、なんと手術を受けたその年に、初めて日本山岳耐久レース(通称:ハセツネカップ)に出場、堂々の3位入賞を果たし、トレイルランニングの魅力に囚われます。
トレイルランニングの打ち上げでIT起業の社長と知り合い、その会社に就職。
定時後や週末、長期休暇の手ほどきなどでトレイルランに集中できる環境を整えてもらえた事で、トレイルランニングに集中できたそうです。
素晴らしい環境を与えてくれた社長には感謝しきれないと奥宮さんは語ります。
心臓に抱えていたハンデを克服し、前向きに歩み始めた事で素晴らしい人達と巡り会えたのは。奥宮さんの一生懸命さがもたらした事ではないでしょうか。
独立
セミナーやイベントの開催を通して、自然に敬意を払いながら、トレイルランニングを心から楽しみ、多くの方にこの楽しさを広めていきたいという思いから、約4年半勤めた会社を円満退社し、「FunTrails」という会社を立ち上げた奥宮さん。
トレイルランニングのレースでは賞金は出ないので、セミナーやツアーの参加費などが収入源となります。自然の中を走る競技なので、セミナー当日に悪天候だったり、参加者が少なければ稼ぎも少なくなります。
このご時世、子供が3人いる中で正社員を辞めて独立するというのは並大抵の覚悟では出来ない事です。それでも奥宮さんは、「レースと同じ。諦めず頑張っていれば、必ず結果はついてくると信じています。」と言います。
自分が率先して前を走り、周りに自分のしている事の楽しさを伝えたいという考えは素晴らしいものですね。
子供が夢を見れるような道を作る
奥宮さんが独立を決めた要因の一つとしてファンの後押しがあったと語ります。
あるレース会場で、応援してくれていた子のお母さんから「ウチの子が将来、奥宮さんみたいなトレイルランナーになりたいって言うんです。」と声を掛けられます。
その時、嬉しい半面「トレイルランニングは儲かりませんよ。」という言葉が出かかったそうです(笑)
でも、その時に「子供達が夢を見て走れるような道を自分が作っていけばいいんじゃないか。」と感じ独立を決心したそうです。
いちアスリートとして体が動く限りは本気で走り続け、そんな自分の姿を見て子供達がトレイルランニングに興味を持ってくれることが目標だと奥宮さんは言います。
いかがでしたか?
奥宮さんのように走ることを職業にすることは難しいかもしれませんが、たとえ不安があったとしても自分がやりたいことの為に一歩踏み出すことは勇気を持ってすれば誰だって可能な事です。
その時にしっかりと覚悟を持って踏み出すことで、それを見た周りの人からの評価も変わるのではないでしょうか。