バックパッカーとなり、世界中を旅する…男の夢のひとつですよね。
今ひそかなブームとなり年々注目されている1人旅にお勧めのスポットを紹介していくコラム
『大人の男の一人旅』。
第10回目は、クロアチアにある"紅の豚の舞台"にもなったアドリア海の港町
「ドブロブニク」を紹介したいと思います。
世界遺産であるドブロブニク旧市街は「アドリア海の真珠」とも言われ、英国の劇作家バーナード・ショウが「ドブロヴニクを見ずして天国を語ることなかれ」という言葉を残しているほど美しい町並みです。
そんなアドリア海の港町であるドブロブニクをさっそく紹介していきましょう。
◆ドブロブニクの場所や交通手段は?
ドブロブニクはクロアチアのダルマチア最南部にある、クロアチア本土とは陸で続いていない飛び地になっています。
アドリア海を挟んで対岸にはイタリアがあり、合わせて観光する人も多くツアーなどもあります。
ドブロブニクへは直行便がないので、成田・名古屋・関西空港からヘルシンキやフランクフルトなどを経由して約14〜16時間程度。
航空料金は往復で約16万円程かかります。
ドブロブニク空港から市内までは空港から出ているシャトルバスかタクシーでの移動となります。
シャトルバスは飛行機の到着に合わせてダイヤが設定されているため、空港への到着が深夜になっても運行しているので安心してください。
チケットは窓口、もしくは運転手から直接購入しましょう。料金は片道40クーナ(1クーナは約15円)。
旧市街のピレ門前まで約30分で到着します。
タクシーの場合は、空港からだと約200クーナと少々高くなります。
しかし、ドブロブニクのホテルは大抵が旧市街から少し離れた地区にあるため、荷物が多い場合は手間を考えるとタクシーの方が便利です。
ただ、ドブロブニク含めクロアチアはかなり治安のいい国ですが、観光客から運賃などを不正に請求する人もいるようです。
ぼったくりなどには、事前におよその料金などを確認するなど注意しておきましょう。
◆ドブロブニクの特徴や名産品
オレンジ屋根・アドリア海の青・石畳のグレーが織り成す絶景
ドブロブニクの魅力はまずその景色です。
旧市街に寄り添うようにあるスルジ山の山頂から街全体を見下ろせば、市内にひしめくオレンジ色の屋根と周りを囲むアドリア海の青が見事なコントラストを生み出しまさに絶景。
写真に収めるのにおすすめの時間帯は午前中です。ケーブルカーやタクシーを利用し、ぜひ山頂へ行ってみてください。
少し近づいて、街を囲む城壁から市街を眺めるのもおすすめです。
城壁はぐるっと一周することが可能で、街を様々な角度から見られるのでドブロブニクのいろんな表情を見ることができるでしょう。
メインストリートである「プラツァ通り」は人々の往来でピカピカに摩耗した石畳の地面になっています。
また、一歩路地に入れば、レンガ造りの建物で造られた迷路のような路地裏が広がっていてまるでファンタジーの世界に迷いこんだような体験ができます。
ドブロブニクおすすめの特産品
そんなドブロブニクの路地には、オシャレな雑貨屋やカフェがたくさんあります。気の向くまま入ってもお眼鏡に適う料理や商品がきっとあることでしょう。
ですが、やはり外せないのはアドリア海のシーフードを使った料理。牡蠣やロブスターなど各お店自慢のシーフード料理を絶品のワインと一緒にぜひ味わいましょう。
おすすめはスカンピ(手長エビ)のブザラ。
ブザラとは、クロアチア伝統のシチューで、シーフードを白ワイン、オリーブオイル、パセリ、ガーリックで煮込んださっぱりした料理です。
他にもリゾットなども絶品です。
ただし旧市街は少々平均価格が高めなので、安くすませたいという方は一旦旧市街から離れた場所で探しましょう。
また、アドリア海一と言われる「牡蠣」がドブロブニクから35kmほど離れたストン島という場所で食べることができるそうです。
牡蠣に目がない!という方はぜひこちらもチェックしてみてはいかがでしょうか。
ドブロブニクは料理以外にも、特産品があります。
例えば「ネクタイ」。実はネクタイの発祥の地はクロアチアなのです。
お気に入りの柄が見つかればぜひ記念に購入するのも悪くありませんね。
他には「ラベンダー」や「ビターオレンジ」もドブロブニクの特産品。
ラベンダーの香り豊かなハンドクリームや石鹸、ラベンダーティーなどは女性へのお土産にぴったりです。
ビターオレンジは「オレンジピールの砂糖漬け」やジャムなどで。
大手メーカーのものでなく、ドブロブニク内で作られたものがベスト。優しい甘さでくせになってしまう美味しさです。
◆ドブロブニクの歴史
ドブロブニクの「専守防衛の精神」
「ドブロブニク」の最大の特徴である城壁は専守防衛の精神にのっとった外交政治により14〜15世紀につくられ、街を愛する人民によって都市国家の地位を守り続けてきました。
ヴェネチアやジェノバなどと並ぶほど海洋貿易都市として栄えたドブロブニクは、交易によって得た資金の多くを守るための設備に投資。
こうして建てられた幅は3〜6メートル、高さは25メートルにも及ぶ城壁により、長い歴史の中で多くの戦火や自然災害から逃れてきました。
ですが、1667年に発生した壊滅的地震の被害に遭い旧市街は一度大きく破壊されてしまいます。しかし市民達の力により復興を遂げ、1979年には世界遺産に登録されました。
その後1991年から1998年にはクロアチアの独立に向けての紛争ではセルビア・モンテネグロによる砲撃を受け「ドブロブニク旧市街」は再度破壊されてしまいます。
壊滅的なダメージを負ったドブロブニクはその後「危機遺産登録」され、市民に加え世界から集まったボランティア達の手により再び復興作業が行われています。
ドブロブニクの町並みを愛し住み続けている人々達の、自由都市国家としての尊厳と気概は、街を訪れれば必ず感じることができるでしょう。
そんな人々に触れ、アドリアの潮風の故郷に対して何かできないかと考えてみるのもいいのではないでしょうか。
◆まとめ
ドブロブニク旧市街の景色はどこを切り取っても絵になり、異世界に旅しているような体験は男心をくすぐられること間違いなし。
アドリア海を眺めながら美味しいシーフード料理とワインを楽しみましょう。
また、旧市街にはドブロブニクの専守防衛の歴史をじっくりと感じることができる資料館もあるので、美しい旧市街が今日もある経緯を知るのもいいのではないでしょうか。