バックパッカーとなり、世界中を旅する…男の夢のひとつですよね。
今ひそかなブームとなり年々注目されている1人旅にお勧めのスポットを紹介していくコラム『大人の男の一人旅』。
第11回目は、東京にある"謎に包まれた秘島"
「青ヶ島」を紹介したいと思います。
住所は東京都ですが、中心部からはなんと358kmも離れた活火山の中にある絶海の孤島で、面積わずか5.98平方km、人口はわずか150人という都会とはかけ離れた場所です。そんな青ヶ島は、今もなお"謎多き島"と呼ばれ、話題を集めています。さっそく紹介していきましょう。
◆青ヶ島の場所や交通手段は?
こちらが「青ヶ島」。自然が作り出した島の形状は実に神秘的ですね。
しかしさすが絶海の孤島と呼ばれるだけあって、島への移動手段はなかなか限られているのです。
青ヶ島へ行く方法は、孤島なので当然海路と空路の2種類。
どちらの方法でも
青ヶ島までの直行便はないため、まずは本土から八丈島を経由することになります。八丈島へは、羽田空港から飛行機で1時間、もしくは竹芝桟橋から船で約11時間です。
八丈島に到着したら、次は海路の場合は連絡船に乗り約2時間半で青ヶ島の三宝港に到着します。ただし連絡船は週に3〜4便で1日1往復。さらに天候によって
平均50%の確率で欠航となるそうです。船で行く際には時間に余裕を持っておくことが必要ですね。運賃は変動しますが、平均2,450円程度です。
一方、空路の場合は八丈島からヘリコプターで約20分とかなり時間短縮できます。
船と比べ、欠航率も約2割なので確実に行きたいのであればヘリコプターを利用しましょう。ただしこちらも
1日1便で9席のみなので予約は必須、さらに運賃が11,530円と約4倍になります。時間と予算と相談し、自分に合った方法で青ヶ島を目指しましょう。
◆世界的に珍しい地形と星空の絶景
青ヶ島の魅力は何といっても自然豊かな絶景です。
この島は、実は大きな火山の一部が海面に出たもので、約3000年前に大規模な水蒸気爆発が起きたことで形成された世界的にも珍しい
「2重カルデラ」と、1785年の天明の大噴火によってできた火口の中にできた小さな内輪山「丸山」という自然の造形美を見ることができます。
「大凸部(オオトンブ)」と呼ばれる島の最高峰である丘から一望すれば、その壮大さにこれまでの移動の疲れなどあっという間に吹き飛んでしまうことでしょう。
広大な山の自然は、四季それぞれで姿を変え、草花や野鳥など都心では味わえない体験が待っています。
そして青ヶ島の目玉は、余計な光が一切ない満点の星空。
島の最北端の牧場付近のエリアは民家や電灯もなく、物音もない閑静な環境で見上げた夜空は
「星空のコロシアム」と呼ばれる程、星ひとつひとつが輝きを放ちます。
青ヶ島出身の母を持つタレントの篠原ともえさんは、青ヶ島で星空観望会を開催。
世界中で観測を試みるも、見れなかったという
幻の星「カノープス」を観測することにも成功しています。
そんな篠原ともえさんがおすすめする観測ポイントは
「池之沢」。
池之沢では火山特有の天然の地熱があるため、温かい地面に寝転びながら朝まで空を眺めていられるそうです。そんな贅沢な時間をぜひ過ごしてみたいですね!
◆青ヶ島のおすすめ絶品料理
青ヶ島へ行った際には、ぜひ食べて欲しいのが火山島ならではの絶品料理。
島には
「地熱釜」と呼ばれる、地熱を内部に閉じ込めることで食材を蒸すことができる設備が民宿などにあります。
新鮮な野菜や魚、卵などの食材をカゴに入れ40分程放置するだけで、ほかほかに蒸され、塩をかるく振るだけで抜群の美味しさです。
やや甘めのシャリを島で捕れた地魚で握った
「島寿司」は美味い以外に言うことなし。
魚とシャリの絶妙な味のバランスが、お酒にぴったりだそうです。
そんな絶品の島料理をおつまみに飲むのは、青ヶ島で作られた焼酎
「青酎」。
サツマイモを原料に、まるでスイートポテトのような甘さで30度という度数なのが特徴です。ほとんど本土ではお目にかかれない幻の焼酎とも言われています。
おみやげにもぴったりなのが、こちらの
「しまだれ」。
醤油をベースに島とうがらしに島みそ、にんにくで作られた特産品です。島では刺身にかけて食べる他、炒め物など何にかけても料理が美味しくなると評判だそう。
また、「ひんぎゃ」と呼ばれる火山噴気孔の熱と、黒潮の海水で作られた
「ひんぎゃの塩」もおすすめ。カルシウム豊富でまろやかな味わいは、素材の旨味を引き出してくれるとおみやげに人気のようです。
特殊な環境だからこそ味わえる島の食材は、行った人だけの楽しみ。そんな場所だからこそさらに何倍も美味しく感じることでしょう。
◆青ヶ島の謎
黒潮の真ん中に浮かぶ青ヶ島。実は未だ謎の多い島とされています。
その理由は、島のはっきりとした歴史が不明であるということ。1785年に起きた大噴火以降、島は無人島となります。しかし、
いつからか人が住んでいたそうで、しかも昔は男女が同じ島に住むと神の祟りがあると信じられており女人禁制の島として「男ヶ島」と呼ばれていたようです。
そんな島にはどことなくミステリアスな雰囲気も。
梅雨時には島一帯が霧に覆われ、まるで霧が丸山から吹き出しているような景色になるそうです。非常に希な光景のため、
見たものには幸運が訪れるとも言われています。島に訪れた際に見れそうであればチャレンジしてみてもいいかもしれませんね!
◆まとめ
さて、青ヶ島いかがでしたでしょうか。
島は中心部を離れてしまうと、そのほとんどが圏外です。都会の喧騒から開放されるのにぴったりの場所ではないでしょうか。青ヶ島では、そういった機器類は一旦本土に置いておき、カルデラが織り成す大地と星空の大自然と料理を満喫するのが何よりの楽しみ方ではないでしょうか。