バックパッカーとなり、世界中を旅する…男の夢のひとつですよね。
今ひそかなブームとなり年々注目されている1人旅にお勧めのスポットを紹介していくコラム
『大人の男の一人旅』。
第13回目は、北海道にある"日本で唯一流氷が見れる"
「知床半島(しれとこはんとう)」の魅力を紹介したいと思います。
知床半島はアイヌ語で"地山の突き出た所"を意味する「シレトク(sir etok)」が名前の由来。特に積雪量も多く、流氷が見られるなど冬のアウトドアに最適です。
ということで夏場にも魅力たっぷりのこの半島ですが、今回は冬の知床の魅力を紹介していきたいと思います!
◆知床の場所や交通手段は?
知床は北海道の斜里郡斜里町と目梨郡羅臼町にかけてあり、オホーツク海の南端に突出している半島。西のオホーツク海、東の根室海峡とで挟まれています。
知床へは、遠方の場合各最寄りの空港から
「女満別(めまんべつ)空港」「根室中標津空港」「釧路空港」などにアクセスするのが便利です。今回は最も便のある「女満別空港」からのルートをご紹介します。
「女満別空港」へは、東京からは約1時間40分、大阪からは約2時間。到着したらレンタカーなどの車なら約1時間。観光バス
「知床エアポートライナー」を利用すれば約130分で「ウトロ温泉バスターミナル」まで行くことができます(料金は3,300円)。
飛行機は1日1〜3便程度となっているので、乗り遅れたりすることのないよう注意しましょう。また、悪天候などで運航休止となる場合も多いため、天気予報などは随時確認しておきましょう。
◆知床の魅力
ここからは冬の知床ならではの魅力をご紹介。
知床の冬の風物詩「流氷」
知床の魅力として欠かせないのが、オホーツク海沿いの地域で見られる「知床の流氷」。毎年1月から3月頃にユーラシア大陸にあるアムール川でできた大量の流氷が流れ着きます。
網走・紋別なども流氷が有名ですが、こちらは船に乗って流氷を見に行きます。ですが知床は流氷を受け止めるような形の地形のため、陸上にいながら接岸した流氷を見ることができ、観察しやすい地域なのです。
また、夕陽と流氷の組み合わせが見られるのも知床ならでは。流氷に反射するオレンジ色の夕陽はかなりの絶景です。
おすすめのポイントはウトロ市街地にある
「夕陽台」。知床の漁港とその奥で広がるオレンジ色の海を一望できる数少ない場所。入場料無料なのも嬉しいですね。
流氷ウォーク
そしてなんと知床では、流氷の上を歩く
「流氷ウォーク」ツアーも体験することができます。
ウトロ市は、流氷の接岸期間が長く量も多いため、流氷の上を歩いたり流氷の合間に浮かんだりして楽しむことができます。
なんてクレイジーなツアーだと思った方もおられるかもしれませんが、ご安心を。
流氷の浮かぶ海に入っても問題ない上下一体型の流氷専用ドライスーツを普段着の上から着用して楽しみます。保温性が高く、水も入り込まないので心配はいりません。また、浮力も高いので泳げない方も溺れる心配はありません。
ドライスーツを着たらあとは楽しむだけ。流氷の上を歩いたり、流氷割りにチャレンジしたり、海に浸かったり、自由に流氷と触れ合いましょう。
また、流氷の近くには「流氷の妖精」と呼ばれる
クリオネも運がよければ見ることが出来ます。間近で泳ぐ姿を見られるのもこのツアーならではではないでしょうか。
ウトロ港
流氷の流れ着くウトロ港周辺には、流氷以外にも観光スポットがたくさんあります。ウトロ港にある高さ60mもの巨岩
「オロンコ岩」もそのうちのひとつ。
オロンコとは「そこに座っている」という意味。由来のとおりどっしりとそびえ立つ岩で、知床八景とひとつとしても有名です。
また、オロンコ岩には階段がついているので登ることが可能。頂上からの眺めは抜群で、流氷の広がる海をパノラマで見渡すことができます。
そしてウトロ港から内陸の方を向けば、ゴジラのような形をしたその名も
「ゴジラ岩」があります。ゴジラを知っている人なら「確かにゴジラだ」と思うこと間違いなし。ただしゴジラに見える角度が決まっているので、それ以外からみるとただの岩なので注意が必要です。
このゴジラ岩、実は一度倒壊の危険性があるとされ、取り壊しが決まっていました。しかし地元住民の反対により、現在もその姿を見ることができます。地元民に愛されるゴジラ岩もぜひ見ておきたいスポットです。
冬ならではの知床の滝
美しく流れる滝ももちろんいいですが、白い景色に溶け込むように凍った滝もまた神秘的な姿で、夏とは違う絶景に姿を変えます。
こちらの
「フレペの滝」も知床八景のうちのひとつ。冬季には行けなくなる場所が多い八景ですが、この滝へはガイドなしでも自由に行くことが可能です。
知床自然センターでスノーシューをレンタルすれば、雪に覆われた景色を眺めながら1時間程度でフレペの滝へ到着します。道中には野生のキタキツネやシカなどを見かけたり、キツツキの巣なども発見できたりと北海道の大自然を肌で感じることができます。
フレペとはアイヌの言葉で「赤い水」という意味。夕陽が滝に映り赤色の滝になることからその名がついたそうですが、冬の間は凍っているため青い光線だけを吸収し、青く見えます。
また夏の時期は、100m程の断崖の割れ目から流れ落ちる姿から
「乙女の涙」とも呼ばれているなど四季折々の姿を見ても楽しめるでしょう。
もうひとつおすすめなのが
「オシンコシンの滝」。
周辺で群生しているエゾマツの切れ目から流れる滝で、なんと日本の滝100選にも選ばれています。そんなオシンコシンの滝も冬には凍りついており、さらに夜にはライトアップが行われなんとも幻想的な空間へと変化します。ぜひ夜に訪れたいスポットですね。
一面白銀世界!知床五湖エコツアー
知床にある5つの湖
「知床五湖」も冬には静寂に包まれ、湖も凍り、一面白銀世界へと変わります。そんな湖面を歩くエコツアーも行われています。
エコツアーは引率指導者として認定されたガイドが行っているツアーで、有料になります。このツアー以外での立ち入りは危険を伴うため冬季は封鎖されています。足跡ひとつない湖面を歩きながら、動物達などを見る貴重な体験をぜひしてみてはいかがでしょうか。
◆絶対食べるべき知床グルメ
旅にかかせないのは、やはりその土地土地のおいしい料理ですよね!知床にももちろん知床ならではの料理がたくさんあります。中でもこれだけは外せない名物をご紹介していきます。
さけ親子丼
北海道といえばやはり海鮮です。特に知床では、1万匹に1、2匹しか獲れないという希少価値の高い鮭の子供「鮭児(けいじ)」が手に入る数少ない場所のひとつ。そんな知床で食べるべきは「さけ親子丼」でしょう。知床へ訪れた際にはマストなグルメとなっています。
海鮮の炭火焼
刺身や丼など生の海鮮もいいですが、炭火で焼く海鮮もまたいいですよね。
地元で採れた新鮮な魚介類は、焼いた後でも鮮度を感じられるほどジューシーです。
知床どり
北海道産の小麦や海藻粉末といった植物性飼料を与えて育てているため、鶏独特の臭みが少なく、栄養豊富な「知床どり」もおすすめ。
透明感のある肉はやわらかくジューシーで、チキンステーキや焼き鳥で食べると最高です。
はまなすこけももソフトクリーム
ウトロの名物となっているご当地ソフトクリームもあります。それがこちらの「はまなすこけももフトクリーム」。
知床を代表するハマナスと、同じく知床に群生しているコケモモをミックスしたソフトで、優しい香りと甘さと甘酸っぱい後味が特徴です。グルメを満喫したシメにぜひ食べたいスイーツですね。
◆まとめ
冬の大自然を満喫できる「知床」、いかがでしょうか。
個人的におすすめしたい冬を今回は紹介しましたが、夏場にはまた夏の自然を楽しむことができ、1年中自然を楽しめる観光スポットです。
美味しいものを食べながら、世界自然遺産にもなっている知床を巡り、荘厳な自然を満喫してはいかがでしょうか